熱帯林再生に挑んだ男 小林紀之(住友林業グリーン環境室長)

執筆者:船木春仁 2000年10月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 住友林業グリーン環境室長の小林紀之は、この一〇年間で二度、同じ森を前にしてショックを受けたという。戦前の日本では「南洋」の代名詞であったボルネオ島の東部、インドネシア東カリマンタン州クタイ県のスブル地区でのことである。 住友林業が取り組む熱帯林再生プロジェクトの候補地決定に際し、小林が現地を訪れたのは九〇年。七〇年代、駐在員として若き日の数年を過ごした当時の緑はすでになく、広大な熱帯林は、焼き畑による無惨な姿をさらけ出していた。「七〇年代後半から経済的な基盤がないままに移民が進められた結果でした。人口圧力に押されて焼き畑は大規模化し、しかも伝統的な焼き畑と違い一年で土地を捨ててしまうなど持続性がない。むき出しとなった土地は、それは無惨なものでした」

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