「和平の枠組み」は崩れない中東交渉

イスラエル・パレスチナ交渉は、紆余曲折はあったものの、相互否定の歴史から相互承認へと進んできた。最大の山場を迎え、衝突事件も頻発しているが、「和平」へ向かう流れ自体は変わりそうにない。 E. H. カーはその著『危機の二十年』で「強制と良心、敵意と善意、自己主張と自己抑制などはあらゆる政治的な社会に存在している。国家とはこうした人間の本性に由来する相反する側面からなっている」と述べている。中東和平交渉を見ていると、紛争解決のプロセスもまた、人間や政治が持っている相反する二面性に規定されていることがわかる。

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