資本主義研究の国家機関を設立する北朝鮮の狙い

2000年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

 北朝鮮が、資本主義研究のための国家機関を新設したという。治安当局によると、金正日総書記はこのほど、「資本主義の生存方式と大企業の管理能力をただちに習得せよ」と号令。これを受けて、貿易部内に「資本主義制度研究院」が新設されたというのだ。同研究院では、資本主義や市場経済についての情報を収集・分析すると共に、経済難打開策の立案も特命されている。 北朝鮮では、金正日総書記が六十歳になる二〇〇二年を経済難打開の大転換の年と位置付けているとされており、同研究院設立もそうした政策の一環と見られている。 しかし一方、北朝鮮は南北首脳会談以後、社会安全部内などに「検閲組」を設置して、思想検閲を強化するほか、住民に対する思想教育を増強するなどの措置を打ち出しているという。軍事訓練も質量ともに強化されており、治安当局は「南北雪解けムードのなかでも、北朝鮮による朝鮮半島統一というシナリオは変わっていない」と解説する。北朝鮮経済は、海外からの経済援助で回復期に入ったとの分析もあり、軍事訓練が強化された背景には、「経済援助で資金が潤沢になったから」(治安筋)との見方も根強い。

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