「大混乱」で高まる大統領選挙制度改正論議

2000年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 大混乱したフロリダ州の米大統領選開票を機に、各州が選挙人を選ぶ現行の大統領選挙制度を憲法改正によって変更すべきだとの論議が米議会や識者の間で高まりつつある。 政治評論家のディック・モリス氏は「現行制度はアナクロニズムだ。ゴア副大統領が全米の総得票でブッシュ・テキサス州知事を上回ったのだから、ゴア当選とすべきだ」と指摘。民主党のダービン上院議員も「十八世紀に採用された選挙人方式は恐竜のようなもの、二十一世紀に存続させるべきでない」とのアピールを出した。現行制度は合衆国創設当初、各州を連邦政府につなぎとめるために採用された苦肉の策だが、時代遅れとする指摘は多くの学者からも上がり始めた。 しかし、問題は複雑な改憲手続きにある。憲法規定では改憲には、(1)上下両院の三分の二による発議(2)五十州議会の四分の三の賛成――という高いハードルが設定されている。大型州は選挙制度改正の改憲には賛成しても、小型州は発言力低下につながるだけに、拒否するのは必至だ。 ここでも、合衆国離脱を防ぐための改憲規定が足かせとなる可能性が強い。大統領選挙後の米国が「憲政上の危機」といわれる所以だ。

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