黒衣が表舞台に引き出された。高木邦夫(五六)。ダイエーの鳥羽董社長(当時)、川一男副社長(同)による系列企業ダイエーオーエムシーの株式取得問題に端を発したインサイダー疑惑でダイエー上層部が混乱。鳥羽、川が取締役に降格し、中内功会長も代表権を返上し最高顧問に退いた。社長、会長が一度に退任して生じたダイエーの「空位」は今も続いている。その不安定な体制の舵取りと経営再建を託され、顧問としてダイエー入りしたのが高木リクルート取締役だ。 十月八日夕。高木と中内の間でこんな会話が交わされたという。 高木「ビジネスのルールに則って仕事をさせてもらいますけどいいですか」
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