“中川テープ”をめぐり野中氏が切った八百五十二億円の「人質」カード

2000年11月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 中川秀直前官房長官が警察の覚醒剤取り締まり情報を愛人に漏らした電話の録音テープが十月二十六日、日本テレビなど民放三局で放送された。中川長官を辞任に追い込んだこのテープ放送をめぐり自民党と放送業界の間で火種がくすぶっている。人権侵害と報道倫理を盾に放送メディアへの法的規制をほのめかす自民党に対し民放側は反発。だが、ここにきて放送業界にとって頭の痛い「人質」の存在が浮上してきた。 十一月初旬、自民党の野中広務幹事長と郵政省の金沢薫放送行政局長が都内某所で面談した。「民放各社が“中川テープ”を放送したのは人権侵害だ。郵政省には監督責任がある」「報道規制に何らかの策を取らなければ、アナ・アナ変換の費用を国費で賄う計画を後押しできない」――。複数の関係者によると野中氏は席上、金沢氏にこう詰め寄ったという。 野中氏が切り出した「アナ・アナ変換」と、その費用の国費負担については少し説明が必要だ。 郵政省は今年十二月から始まるBSデジタル放送を皮切りに二〇〇三年には東京・名古屋・大阪の三大都市圏で地上波テレビ放送をデジタル化しようとしている。欧米で進んでいる放送のデジタル化は、画像圧縮などで電波を効率的に利用できる上、映像を家庭のテレビにダウンロードして見たいときに見るなど、パソコンと同じような機能をテレビに持たせることが可能になる技術革新だ。

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