「京議線亡命者」問題で対立する韓国と在韓米軍

2000年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米 朝鮮半島

 南北朝鮮をつなぐ京義線復元工事問題と関連し、韓国政府と在韓米軍の間で懸案が浮上している。それは、鉄道工事の際に発生するとみられる北朝鮮亡命者の扱いだ。 韓国政府はソウルと新義州をつなぐ京義線復元工事の途中、亡命者が軍事境界線を越えてくる可能性が高いと見ている。鉄道工事の周辺地域は、地雷が除去された非武装地帯で、亡命に最適な安全地域となる。ソウルの外交消息筋によると、「韓国は北朝鮮からの亡命者を受け入れない立場をとり、一方米軍は、国際法に基づき亡命者を全員受け入れる立場を堅持している」という。 韓国政府が亡命者受け入れに否定的な理由は、南北首脳会談以降の和解ムードを守るためとされる。だが、工事地域は共同管理区域であり、国連司令部と中立国監視委員会の管轄にある。これは、亡命者への国際法の例外なき適用を主張する在韓米軍の大きな後ろ盾ともいえる。韓国の有力紙記者は「京義線復元が亡命者問題で逆に不信を呼び起こす可能性がある」と語り、「二〇%未満の支持率しかない金大中大統領は、亡命者問題について在韓米軍だけではなく、韓国の保守勢力からも激しい反発を受けるだろう」と予測する。

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