中国の食糧増産の切り札 放射線農業とは何か

2000年12月号
エリア: 中国・台湾

 中国が放射線農業の推進に力を注いでいる。 中国農業科学院によると、放射線を活用してつくりだした新種の農産物の作付け面積は、三百三十三万ヘクタールに達し、年間に三十三億二千万元の収益を上げている。 中国の放射線農業は、四十年以上の歴史をもち、「植物放射線誘発変異育種」開発、食品放射線加工などいくつかの分野に分けて、専門家の育成を急いでいる。特に「変異育種」の分野では、これまでに四十種あまりの植物で五百以上の新品種をつくり出した。 この結果、年間に食糧が三百万トンから四百万トン、綿花が十五万トンから十八万トン、それぞれ増産されている。 中国の人口は、現在の十二億人から二〇五〇年には十六億人にまで急増する見通しで、社会施設の整備や効率的な食糧増産技術が求められている。 農業の近代化や経済性の向上に力を入れる中国にとって、放射線農業は効果的な手段として重宝されている。ただ、遺伝子組み換え作物の安全性を疑問視する海外の環境団体などは、放射線農業が環境や人体に与える影響についても十分に調査するべきだと警告している。

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