「IT化」に生き残りを賭ける商社

2000年12月号

最終目標は「C&M商社」への変身「伊藤忠商事―丸紅」「三井物産―住友商事」など総合商社の再編を巡る噂が絶えない。しかし、単純な合併や経営統合では商社業界浮上の起爆剤にはならない。 IT(情報技術)に物流や、金融ノウハウを組み合わせた「IT商社」に変身できるかが勝ち残りのカギを握っている。業界再編論の影に隠れがちだが、各商社は猛烈な勢いで事業の再構築に走り始めているのだ。「ATM(現金自動預け払い機)を置いて欲しい」「いや、今設置しても効果がない」――。九月に牛丼チェーンの吉野家ディー・アンド・シーに伊藤忠商事が二〇%出資することが決まった。その伊藤忠と吉野家の間で「ATM論争」が起きている。 伊藤忠は、全国に七百店舗を持つ吉野家の第二位株主になる。牛肉の納入などで取引を拡大させる「川下戦略の強化」が提携の最大の狙いだが、さらに大きな中長期戦略も立てている。それは全国にIT拠点網を築くことだ。伊藤忠のここ数年の流通シフトはすさまじい。 コンビニ業界三位で全国に五千五百店舗を擁する「ファミリーマート」に約三〇%を出資、事実上傘下に収めた。また吉野家への出資と同時に西武百貨店にも四・七%出資することになった。総投資額は千五百億円を超えている。ファミリー・マートは、「ミニストップ」「サークル・ケイ・ジャパン」などとコンビニ五社連合を形成、最大手のセブン-イレブン・ジャパンを店舗数で凌ぐ大勢力になっている。

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