Q.1 アメリカは対アジア外交の中心を日本から中国に移すか

執筆者:船橋洋一 2000年12月号
エリア: 北米 アジア

YES 45% 米国は過去半世紀、日本と同盟を結んできた。冷戦後、冷戦同盟の存在理由が薄まっているが、日米同盟は九〇年代前半の「漂流」時代から後半、冷戦後同盟への「再確認」「再定義」に乗り出した。今回の大統領選挙でも、ブッシュ共和党は日本との同盟関係の強化を主張する一方、中国に対しては「戦略的競争相手」と見なすなど、中国への警戒感を隠していない。ブッシュ政権となれば、中国に対抗する上でも日本重視路線を打ち出すだろうと見られている。 そういう背景からして近い将来、米国がアジアにおける主要パートナーを日本ではなく中国に切り替える、つまり、日本第一主義を中国第一主義に切り替えることはちょっと考えにくい。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
船橋洋一(ふなばしよういち) アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長。1944年北京生まれ。東京大学教養学部卒。1968年、朝日新聞社入社。朝日新聞社北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長、コラムニストを経て、2007年から2010年12月まで朝日新聞社主筆。米ハーバード大学ニーメンフェロー(1975-76年)、米国際経済研究所客員研究員(1987年)、慶應義塾大学法学博士号取得(1992年)、米コロンビア大学ドナルド・キーン・フェロー(2003年)、米ブルッキングズ研究所特別招聘スカラー(2005-06年)。2013年まで国際危機グループ(ICG)執行理事を務め、現在は、英国際問題戦略研究所(IISS)Advisory Council、三極委員会(Trilateral Commission)のメンバーである。2011年9月に日本再建イニシアティブを設立し、2016年、世界の最も優れたアジア報道に対して与えられる米スタンフォード大アジア太平洋研究所(APARC)のショレンスタイン・ジャーナリズム賞を日本人として初めて受賞。近著に『フクシマ戦記 10年後の「カウントダウン・メルトダウン」』(文藝春秋)、『自由主義の危機: 国際秩序と日本』(共著/東洋経済新報社)、『地経学とは何か』(文春新書)、『カウントダウン・メルトダウン』(第44回大宅賞受賞作/文春文庫)など著書多数。
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