【今月の2冊】 地図とコンピュータの“出会い”は何を生んだか

2000年12月号

「地図は数字では表現できないアナログの真髄ともいえるメディアだ。そのアナログの極にある地図を媒介にして(中略)デジタルデータだけではつかみにくい現実をつかまえる。 二律背反を解消するかのような技術がGISには盛り込まれている」(船木春仁『電子地図ビジネス入門』東洋経済新報社刊 一六〇〇円)「IT革命」がいくら流行語ともてはやされても、日々の暮らしのなかで“革命”を実感する機会がそうあるわけではない。「ITという言葉ばかり氾濫しているが、情報技術が我々にどのような未来を提供してくれるのか」と、素朴な疑問を感じている人も多いはずだ。そういう人に是非お勧めしたいのが本書である。 地図とコンピュータの出会いがもたらした変化について、八つの実例を挙げて詳説した第一章を読むだけでも、件の素朴な疑問は霧消するに違いない。 例えば、東京・世田谷区が実施したGIS(地理情報システム)を活用した福祉サービスの充実が紹介されている。世田谷区は、区内に点在する医療機関や福祉施設、要介護者やボランティアといった施設や人のデータをデジタル地図上にまとめ、行政効率を引き上げた。また、区は住民の協力を仰いでバリアフリー地図を作成しているが、ここでも迅速な情報収集と情報発信が可能なインターネットと電子地図が利用された。

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