知られざる中台接近

樋泉克夫
執筆者:樋泉克夫 2001年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

経済先行で「小三通」を実現させた大中華圏経済の躍動[香港発]台湾側代表の金門県知事が「対岸のアモイとの間のたった六キロの海を越えるのに、我われは五十二年もかかってしまった」とのことばを残し、二百人ほどの仲間と共に船に乗り込んだのは二〇〇一年一月二日午前九時。そして十一時五十分、一行はアモイ市の台湾問題担当者の出迎えを受け、大陸に待望の第一歩を印した。 思えば両岸の往来が絶えたのは、国共内戦が共産党の勝利に終わり、北京に中華人民共和国が誕生し、一方の主役である蒋介石が部下と中華民国政府を率いて台湾に遁れた一九四九年のことだ。以来、時に砲撃合戦を繰り返すまでに緊張した両岸関係も、七九年には転機を迎えることになる。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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