国道16号線 衰え知らぬ道が創る21世紀の風景

執筆者:水木楊 2001年1月号
カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
エリア: 日本

 国道十六号線は、都心からおよそ半径三十キロの円を描く大環状線。いくつかの新しいビジネスが今、この沿線から生まれようとしているし、新商品が売れるかどうかを試すパイロット・ショップがあちこちに店開きをしている。 国や人間と同様、道路にも栄枯盛衰があるが、この道は衰えることを知らない。古くは鎌倉時代、坂東武士が「いざ鎌倉」と馬に鞭を入れて疾駆した鎌倉街道に重なる。幕末には、八王子の鑓水に根を下ろした商人たちが上州や甲州から生糸を集め、横浜に運んで輸出する日本版「シルクロード」ともなった。いまでも十六号線近くの御殿峠には、彼らの豪壮な邸宅の面影を残す、立派な石垣が残っている。 最新の道路交通センサスで見ても、十六号線は日本中の国道の中でも有数の混雑度を示している。混雑度の数値が一を超すと、渋滞に近い交通量があることになるが、十六号線沿いの千葉県八千代市米本地区は一・二六、埼玉県大宮市吉野地区一・一一、神奈川県相模原市大野地区一・四八(いずれも平日)。道路の悲鳴が聴こえそうなほどの活況振りである。長く続いた不況で日本全体が沈滞しているにもかかわらず、十六号線に沿った地域のあちこちでは、いま新しい街づくりのツチ音が鳴り響いている。

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