デジタル家電時代の「勝者と敗者」

2001年1月号

強みを持つ松下、ソニー、東芝。競争力を失う三菱電機、日立、中堅メーカー……「一千日で一千万台」の普及目標を掲げ、昨年十二月一日にBSデジタル放送が始まった。同放送を受信するデジタルテレビをはじめ、昨年来、DVDレコーダーやハードディスクレコーダーなど様々なデジタル家電の発売が相次ぎ、関連業界は活況に沸いているように見える。 ところが、販売現場の華々しさとは裏腹に、業績を悪化させているメーカーも少なくない。デジタル家電時代は、果たして本当に幸福への扉なのか――。家電・電機業界には今、そんな問いが投げかけられている。「部品メーカー化」に走る大手 一九八〇年代に次々に生産拠点をアジアに移し、一時は「円高時代の優等生」と言われたアイワが苦境にあえいでいる。二〇〇一年三月期の連結業績は、二百十億円の大幅最終赤字に転落する見込み。デジタル技術革命の端境期に急速に経営を悪化させた同社に、この時代の「勝者と敗者の条件」が見て取れる。 経営悪化の第一の要因は、部品調達の誤算だ。部品メーカーが需要が爆発的に伸びた携帯電話向けに優先してICを振り向けた結果、アイワには必要なICが回ってこなかったのである。 松下通信工業、NECなどの携帯電話ベンダー(生産者)が、NTTドコモなど通信会社の要求する生産台数を満たすために、高値でも部品を買い漁った。だが、低コスト生産が強みのアイワは低価格での調達を目指すため、部品争奪戦で他社に太刀打ちできず、稼ぎ頭の北米市場でも臨機応変の生産ができなかったのだ。

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