ケネス・レイ(エンロンCEO兼会長) “自由化の先兵”が新たに目指す「知識集約的事業」とは何か

執筆者:五十嵐卓 2001年1月号
エリア: 北米

 米総合エネルギー企業、エンロンのケネス・レイCEO兼会長(五八)の一挙手一投足に日本の産業界が注目している。エンロンのグループ会社、イーパワーが福岡県大牟田市、山口県宇部市、青森県むつ小川原などに矢継ぎ早に打ち上げた大型発電所プロジェクトが電力卸売り入札、大口需要家向け小売り自由化にすら揺るがなかった電力業界に衝撃を与えているからだ。米地域ガス会社という規制事業から出発しながら世界のエネルギー市場自由化の先兵となっているレイ会長とは何者なのか。 レイ氏の経歴は日本の電力、ガス会社幹部とはおよそ対称的だ。ミズーリ大で経済学修士を取得後、エクソンにエコノミストとして入社、米海軍将校、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)技術補佐官などを歴任、ジョージ・ワシントン大で教鞭を執った後、フロリダガスに入社し、エネルギービジネスのキャリアをスタートさせた。「東電一筋四十年」といった日本の電力トップとは経験の幅が全く異なる。注目すべきは規制当局側にいた経験をベースに地域独占のガス会社経営を「守り」から「攻め」に転換、九〇年代初めからいち早く国際市場に乗り出したことだ。自由化で国内事業の収益率が低下することを読み、規制の残る他国市場を攻略、参入先行者として高収益をあげるビジネスモデルを発想した。

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