ワリド・ビン・タラール(サウジアラビア王子) 「アジア・ナンバーワン」の実業家 次の狙いは日本企業の買収?

執筆者:山田剛 2001年1月号
エリア: 中東

 アップル・コンピュータやユーロ・ディズニーランド、韓国・大宇などの積極果敢な株式買収で知られるサウジアラビアの実業家ワリド・ビン・タラール王子(四三)の投資活動が新たな展開を見せ始めた。 これまで主に銀行やレジャー産業を投資対象としてきた王子は二〇〇〇年四月、米ナスダックが史上最大の下げを演じると直ちにアメリカ・オンライン(AOL)、コンパック、AT&Tなどメディア、ネット、ハイテク関連株に約十七億ドルを投資。十一月にはAOL株をさらに十億ドル分追加購入する計画を発表した。これにより王子のIT関連投資額は約九十億ドルと総資産の半分近くに達する見通し。IT産業の発展を先取りした投資戦略は、世界の市場関係者が注視している。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
山田剛(やまだごう) 日本経済研究センター主任研究員。1963年生れ。日本経済新聞社入社後、国際部、商品部などを経て、97年にバーレーン支局長兼テヘラン支局長、2004年にニューデリー支局長。08年から現職。中東・イスラム世界やインド・南アジアの経済・政治を専門とする。著書に『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎)などがある。
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