広瀬真人(本田技研ロボット開発担当者) 人間型ロボット「アシモ」を生んだホンダの「お茶の水博士」

執筆者:加納修 2001年1月号
エリア: 日本

 二〇〇〇年大晦日、「紅白歌合戦」の最後の場面。鉄腕アトムのテーマソングに合わせて舞台後方からゆっくり歩いて登場したロボットがいた。「ASIMO(アシモ)」。ホンダが開発に成功した自分の足で路面状況を判断して歩行できる、世界で唯一の人間型ロボットだ。開発から約十五年、介護などで人間を支援したり、危険な作業環境で人間に代わって作業するロボットとして、実用レベルに近づいている。 この「アシモ」を開発したのが、ホンダの子会社、本田技術研究所の和光基礎技術研究センター第五研究室で室長を務める広瀬真人氏。今や日本を代表するロボット開発の第一人者だ。 宇都宮大工学研究科修士課程を修了後、ホンダ入社を「切望したけど成績が足りず」、工作機械メーカーに就職。しかし「メカニズム屋集団のホンダにどうしても入りたくて」、ある日、中途入社の公募広告に飛びついた。そして八六年、念願の入社を果たす。 ホンダには中途入社組が多いが、実現するかどうかもわからない開発プロジェクトにいきなり新人が投入されることは多くはない。その意味で広瀬氏は恵まれた新入社員だった。入社直後に受けた指示は、「鉄腕アトムを作ろう」という突拍子もないものだった。

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