台湾へのイージス艦売却で日米両政府の苦衷

2001年2月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障

 米国と台湾との間で兵器売却の交渉が四月に開催されるが、焦点はイージス艦の売却。台湾は中国の弾道ミサイルに対抗するためイージス艦を強く求めているが、もちろん中国はこれに反対している。 というのも、高性能レーダーによって目標となる複数の攻撃機を同時に探知し、迎撃ミサイルを発射するイージス艦は、米国が開発を進めている戦域ミサイル防衛(TMD)の主力兵器で、台湾への売却が決まれば、中台軍事力の均衡に大きな変化をもたらすのは必至だからだ。 過去、米国がイージス・システムを売却したのは日本の海上自衛隊だけ。その海自が一九九八年、北朝鮮が発射したテポドンの観測に成功したことから弾道ミサイル防衛にも有効であることが初めて証明された。 米国は中国を刺激することを恐れ、台湾にキッド級駆逐艦の売却を打診したが、陳水扁総統はブッシュ大統領に改めてイージス艦の売却を求めたとされる。 また日本にとっては、イージス艦に搭載される海上配備型上層ミサイルは九五年度から日米で技術研究を開始しているため、台湾がイージス艦を導入した場合、日本の武器が台湾の軍艦に載るという武器輸出三原則に抵触する場面も出てきそうだ。

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