航空機開発から始まったIT革命 上田俊彦(三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所情報・技術管理部長)

執筆者:船木春仁 2001年2月号

 ITを活用して仕事のやり方や仕組みを変える試みが続いている。生産現場だけでなく、“文系”の営業現場などでも、電子メールや掲示板を活用して情報を共有したり、作業手順を標準化しようとしている。そうした仕組みのベースになっているのが、八〇年代初頭に提案されたCALSである。 CALSとは不思議な言葉で、当初はComputer Aided Logistic Supportの頭文字をとったものだったが、時代と共に様々な言葉が当てられ、意味を変えてきた。しかし、その根底にある考え方は、「コンピュータオンラインによる資材調達・設計・製造」である。一つの仕事に関わるあらゆるデータを電子化することで、関係者が仕事のスタートから終わりまでの全過程を共有できるようにするものだ。設計者が設計するのに併せて資材担当者は調達を始め、製造部門は設計完了時にすぐに製造に取りかかれるようにライン変更などを進める。一つの仕事が終わって次に渡すのではなく、関係者が併走しながら製品を生み出す。 三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所情報・技術管理部長の上田俊彦は、航空機産業界におけるCALS構築をリードしてきた。その上田が、ITでビジネス変革を進めようとする現在の状況をどのように見、変革には何が必要だと感じているのか。本人は、「そんな大それたこと」と謙遜するが、ITの持つシステマティックな威力を知り抜いているだけに、ぜひ意見を聞いてみたい人物であった。

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