【今月の2冊】 「入門書」を遥かに越え日本経済の危機を見据える

2001年2月号

「『金融は難しい』と敬遠されてしまう理由の一つは、金融に関する本や教科書が難し過ぎるからです。(中略)そこで、特に『預金者』や『投資家』の視点を重視しながら、金融についてだれもが抱くような初歩的な疑問と答える入門書を作ってみようと思い、本書を執筆しました。」(糸瀬茂『図解 金融のしくみ』東洋経済新報社刊 一六〇〇円)「入門書」とはうたっているけれど、通読してみると遥か遠くまで導かれる本だ。 全体は五部の構成で、冒頭に配されたのは未だ終わらざる不良債権問題。不良債権問題はなぜ過去のものではないのか、どうしてそうなのか、何をなすべきなのかが、図表やイラストを交えて述べられたうえで、マーケットのしくみ、バブルの発生と崩壊、金融理論の基礎などが次々と語られていく。これがまた実に分かりやすい。 しかし、それだけにとどまらない。主な金融商品の特性や金融機関がいかなる変化に直面しているかのポイントなど、投資家の立場で踏まえておくべきポイントの記述から、はたまた「市場主義時代の生き方・働き方」と題してアングロサクソン型経営導入のメリットや「人材時価評価」の動きまでも取り上げているのだから、並みの入門書とは趣がだいぶ違う。

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