米英同盟の根幹を担うアングロ・サクソンという意識

執筆者:浅井信雄 2001年3月号
カテゴリ: 国際 文化・歴史
エリア: ヨーロッパ

 さる二月末、訪米したブレア英首相が就任直後のブッシュ米大統領と会談すると、特に英メディアは「欧州の首脳として初めて」とか「英米の特殊関係」の表現をしばしば使った。イギリスはアメリカにとって欧州の最重要の同盟国だとの意味だろうが、緊密関係の理由としてかねて「アングロ・サクソン同士」が強調されてきた。 イギリス史上の「アングロ・サクソン時代」(五世紀半ば―一〇六六年)に彼らはブリテン島に渡来している。 紀元前から同島に居住したケルト人(インド・ヨーロッパ語族系)は、紀元前一世紀に来襲したローマ軍に蹴散らされる。キリスト教の到来は四世紀である。欧州大陸で「ゲルマン民族の大移動」が進み、ローマがゲルマンに脅かされると、四百年間ブリテン島を支配したローマ軍も大陸へ去る。力の空白を埋めるように、五世紀半ばゲルマン諸族が海路で移住してきた。 アングロ・サクソン民族とは、今日のドイツ北部やデンマーク一帯から到来したゲルマン系のアングル人、サクソン人、ジュート人の総称であり、先住のケルト人を残忍に制圧した。彼らの言語がやがて英語として定着し、四五〇年から一一〇〇年までを「古英語時代」とも区分する。古英語の方言が北ブリアン、マーシア、ケント、西サクソンに分布したことから、そのあたりがアングロ・サクソン民族の覇権領域の原型だと推測される。

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