「ポスト・ゲノム」ビジネスの標的は何か

2001年3月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 北米

ゲノム解読の完了で次の競争の号砲が鳴った――[ワシントン発]中国・上海の工業団地に、人間の全遺伝情報(ゲノム)の解読やデータ提供サービスを手掛ける先端企業がある。中国政府とも太いパイプを持つ、上海ジーンコア・バイオテクノロジーズ。実はこの会社、米遺伝情報サービス最大手セレーラ・ジェノミクス(メリーランド州)と、アプライド・バイオシステムズ(カリフォルニア州)が資本の九五%を握る。両社ともアプレーラ社(コネチカット州)のグループ会社である。アプレーラ・グループがここで狙うのは、「遺伝子ハント」。様々な民族集団のゲノム・データを集めようというのだ。 セレーラはヒトゲノムの解読で世界の最先端に位置し、今年二月には日米欧など十六カ国の政府が進める国際ヒトゲノム計画の研究チームと成果を同時発表した。ワシントンで開いた記者会見では、さすがに両グループが互いの成果を批判し合う光景は見られなかったが、解読の完成度やデータの充実度ではセレーラの方が優れているとの見方は多くの専門家に共通している。 セレーラの武器は、アプライド社から約三百台を購入した高速の解析装置。上海ジーンコアにも同じ装置を配備し、「中国のゲノム研究のペースを飛躍的に高めた」(アプライドのマイケル・ハンカピラー社長)。ここまで中国のゲノム解読に肩入れするのは、遺伝情報ビジネスで中国市場に注目しているからだけではなく、そこで得られるデータを手に入れたいからだ。

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