いま必要なのは「異端」のリーダー

執筆者:伊藤幸人 2001年4月号
エリア: 日本

 4月24日の投開票へ向け、自民党総裁選が最終局面に入った。「誰がなっても政治は変わらない」というシニカルなムードも根強いが、自民党総裁イコール次期首相である以上、その行方は注視せざるを得ない。今回は、衆参の自民党国会議員による投票だけでなく、各都道府県連が独自に実施する予備選の結果を踏まえた地方代表票が加わるために、単に派閥の力学のみでは決まらない不確定要素もあり、波乱含みだ。 麻生太郎経済財政担当相、橋本龍太郎元首相、亀井静香政調会長、小泉純一郎元厚相の4立候補者は政権構想を発表、政策論争が繰り広げられている。日本が直面する経済危機を克服し、経済再生を成し遂げるには痛みを伴う改革が不可欠であり、政策論争は「真の改革者は誰か」との視点から見るべきであろう。いま指導者に求められるのは、日本再生へのヴィジョンを示しつつ、時には苦い薬を飲む必要を、説得力と信頼性をもって説くリーダーシップである。痛みを和らげる財政出動という名の「モルヒネ」の投与に力点を置く大衆迎合型は、危機の時代には相応しくない。 4人の違いは、景気回復を実現するための政策の優先順位とその手法にある。敢えて要約すれば、「財政構造改革派」(小さな政府)に立つか、「積極財政派」(大きな政府)に立つかという経済哲学の違いとなろう。前者に最も近いのが「構造改革なくして景気回復なし」を主張する小泉氏であり、橋本氏、麻生氏、亀井氏の順で「財政構造改革派」から遠ざかる。「景気回復のためには何でもあり」の「積極財政派」の立場を鮮明にしているのが亀井氏だ。かつて「改革派」の旗を掲げていた橋本氏は、「財政再建のタイミングを間違えた」と、消費税率アップ等を推し進めた首相時代の“失政”を認め(その反省自体は正しいと思われるが)、結果として「財政構造改革派」の立場からやや距離を置く姿勢に転換した。あくまで「財政構造改革派」の立場を堅持するのは小泉氏だけである。

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