有線ブロード躍進の裏に「夜の別働隊」

2001年4月号

 自前の光ファイバーを使った高速インターネット事業を展開する有線ブロードネットワークス(東京・千代田区)の株式公開による資金調達額が四百三十二億円に決まった。昨年のネットバブル崩壊以来、株式相場の低迷で上場を延期したり、設備投資を控える企業が相次いでいるが、事業将来性の高い有線ブロードの上場で風向きが変わるかも、と市場関係者は期待する。 有線ブロードの前身は言わずとしれた有線放送最大手の大阪有線。夜間にとび職顔負けの別働隊が電柱に攀じ登り、ライバル会社のケーブルを切断したり、無断で自社回線を架ける等の違法行為で悪名をはせた。 九八年に他界した先代創業者の後を継いだ宇野康秀社長は違法架線をすべて撤去、莫大な不正使用料を払って負のイメージを払拭した。 ただ、勢力拡大の原動力となっているのが、かつての夜の別働隊の伝統だというのが興味深い。別働隊は夜間に物音もたてず各家庭へのアクセス回線を敷設。翌朝早いうちに営業部隊がその家庭のドアを叩くという機動力は、同じく光通信事業を始めたNTTには逆立ちしてもできない芸当。違法行為を除き、過去の伝統を生かす手腕はただものではない。

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