【今月の2冊】 “日本復活”のヒントとなる「ルネサンスの精神」を説く

2001年4月号
カテゴリ: 文化・歴史 書評

「ルネサンス時代とは、要するに、見たい知りたいわかりたい、と望んだ人間が、それ以前の時代に比べれば爆発的としてもよいくらいに輩出した時代なのですよ」(塩野七生『ルネサンスとは何であったのか』新潮社刊 一六〇〇円) 塩野氏は現在、畢生のライフワーク『ローマ人の物語』を執筆中だが、周知のように、著者の作家としての出発点は「ルネサンスもの」だった。数々の名作が生み出されているが、このたび「塩野七生ルネサンス著作集」(全七巻)をまとめるにあたって、第一巻として書き下ろしたのが本書である。 叙述のスタイルに独特の工夫が施されている。自問自答の「対話方式」を用いつつ、いわば著者が歴史の旅のガイドとなって、ルネサンスの主要舞台となったフィレンツェ、ローマ、キアンティ地方のグレーヴェ、ヴェネツィアの各地を逍遥しながら、ルネサンスについて語っていく。取り上げられる人物も、聖フランチェスコ、フリードリッヒ二世、ダ・ビンチ、ミケランジェロ、マキアヴェッリなど、実に多彩だ。平明な語り口ゆえに、著者の「ルネサンスもの」を読んだことのない読者にもアクセスしやすい入門書となっている。もちろん、ルネサンスについて三十年間も考えつづけた著者ならではの、深い洞察が随所に見られる。

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