イランへの世銀援助再開で孤立深める米中東外交

2001年5月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東 北米

 世界銀行がイランに対して、今後二年間で七億五千五百万ドルの開発援助を供与する「j計画」が明らかになった。対イランでは日本が七年ぶりに七十五億円の円借款供与を再開するなど各国はイランのハタミ政権取りこみに躍起になっており、米国だけが取り残される気配が濃厚となっている。 世銀のイラン援助はイラン革命で途絶えていたが、九一年に再開された。今回は世銀のウォルフェンソン総裁自らがテヘランを訪問し、その後に援助計画を表明した。イランをめぐってはイランが保有する旧ソ連製のミサイル部品の輸出をロシアが再開し、イラン自身が長距離ミサイルの開発を進めている。 米国とイスラエルは「イランは資金的に困窮しているのではなく、国際機関から支援を受けていることを強調し、孤立脱却を図り、最終的には軍備増強を画策している」(外交筋)と反発しているが、世銀の理事会で米国の理事は二十四人中一人であり、援助方針を覆すのは難しいとみられる。ブッシュ政権は、前政権の中東政策の柱だった「イラン・イラク二重封じ込め」政策にこだわれば、逆に中東外交で米国の孤立を招きかねない状況に陥りつつある。

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