事業統合など華やかな動きが続くが、新たな「商社モデル」は見えていない 中国東北部(旧満州)の中心都市、大連。郊外に広がる経済技術開発区の中に日本工業団地と呼ばれる一角がある。伊藤忠商事、丸紅、東京三菱銀行などが核となって開発した工場用地でコニカ、リョービなど数十社の日本企業が進出する。その工業団地を訪れた日本人ビジネスマンがほぼ例外なく口にする感想がある。背中合わせに並んだ伊藤忠系と丸紅系の二軒のコイルセンターのことだ。「あれじゃ共倒れですね」。コイルセンターは輸入鋼材を切断、加工して家電や機械メーカーなどに納入するのが業務だが、団地周辺の限られたユーザー数とコイルセンターの規模をみれば素人目にも行き詰まりは歴然としているからだ。実はこの二軒のコイルセンターこそ商社業界を揺るがす事業統合旋風の引き金となった。
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