饗宴外交の舞台裏 (42)

ナイジェリア大統領を迎えた晩餐会も“小泉流”

執筆者:西川恵 2001年6月号

 ナイジェリアのオルセグン・オバサンジョ大統領(六四)が五月二十一日から三日間、日本を公式訪問した。 オバサンジョ大統領は七〇年代後半、最高軍事評議会議長(国家元首)として民政移管を進めたが、軍政時代の九五年、人権弾圧に抗議して逮捕され、三年間、獄中生活を送った。その後、軍政指導者の急死で釈放され、九九年の大統領選で当選し、八三年以来の軍政を民政に移管した。 民主化のモデルとなった産油国ナイジェリアは、西アフリカのキープレーヤーとして欧米諸国から重きを置かれており、五月十日にはブッシュ大統領の招きで米国を訪問したばかり。小泉首相がこの大物元首との首脳外交をどうこなすか、最初の試金石となった。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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