「死に銘柄」光通信は再生できるのか

2001年6月号

財務危機はクリアできても、「携帯の次に売るモノ」が見つからない…… 六月三日、快晴。ひょんな所で光通信の重田康光社長を目撃した。東京都内にある某小学校の運動会だ。他の親御さん同様、デジタルカメラを駆使し、腕を振り上げて競技中の子供たちを応援していた。光通信はつい先月、資金繰り悪化を避けるために、百九十三億円の緊急ファイナンスを成功させたばかり。愛息の活躍はもちろんだが、重田社長は「破綻リスクから逃れた解放感」にも浸っていたのだろう。 通称ピカツー、またはヒカリ。IT企業の代表格として一世を風靡した光通信だが、経営危機説が昨年から流れ続けている。最高値で二十四万一千円あった株価は、今年に入ってピークの百二十分の一である二千円前後まで急落。ベンチャー企業ながら時価総額が東証のベストテンに食い込んでいた一年半前がウソのようだ。資金の入り口が断たれ…… 光通信の二〇〇一年二月中間決算は、創業以来初という三百十億円の赤字。五百六十億円もの損失が出た背景として、新聞報道等には「新しい金融商品会計によって、未公開企業向け投融資に対する損失が明らかになった」とある。要するに、連結決算や時価会計が義務付けられたことで、光通信のグループ企業で常態化していた寝かせと呼ばれる架空契約、携帯電話の売り上げ水増しによる含み損やベンチャー投資の失敗が、決算数字に表面化してしまったのだ。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順