【今月の2冊】 第一級の米国人学者が分析する90年代日本政治のカラクリ

2001年6月号
カテゴリ: 政治 書評
エリア: 日本

「小泉政権が挫折しても、歴史が止まるわけではない。永田町の政治と日本社会の距離を縮める動きを止めることができるはずはない。日本の政治は今、うねりの中にあるのであり、小泉政権の行方に拘らず、閉塞状況から脱する時はいよいよ近づいているのである」(ジェラルド・L・カーティス著、野口やよい訳『永田町政治の興亡』新潮社刊 一八OO円) 一九九三年に宮沢政権が倒れて以来、この八年間に日本には何人の総理が登場したか? 正解は、細川、羽田、村山、橋本、小渕、森、そして小泉の七人である。列挙するだけでも一苦労なのに、まして各政権の功罪や存在意義を語れる人がどれだけいるだろうか。 日本人以上に日本政治を知る米コロンビア大学のカーティス教授は本書で、竹下派の分裂や細川政権の誕生、選挙制度改革や自民党の政権復帰など、九〇年代のいくつかの転機を検証しながら、日本政治のカラクリを鮮やかに浮かび上がらせた。これを読むと、小泉政権の誕生が歴史の必然であり、かつまた一方で、歴史の終わりでもないことがよくわかる。 カーティス氏は、三十五年以上も日本政治を研究し、政界に数多くの友人を持っている。分析の多くは、氏が直接、日本の政治家にインタビューした成果を基に行なわれており、実際、本書を読んで驚くことは、竹下登氏のような口の重い政治家でさえも著者には違った顔を見せることだ。羽田孜氏も、いかに自分が無力な総理であったかを率直に語っている。

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