饗宴外交の舞台裏 (43)

日本酒で小泉総理を迎えたシラク大統領

執筆者:西川恵 2001年7月号
エリア: ヨーロッパ

 小泉首相は六月末から米、英、フランスの三カ国を歴訪したが、最後の訪問国となったフランスでは、親日家のシラク大統領が、またも趣向を凝らしたもてなしで新首相を迎えた。 日仏首脳会談は七月四日の昼、エリゼ宮(仏大統領府)で行なわれた。会談後、双方合わせて十八人の出席者はアペリティフ(食前酒)に寿司のつまみで歓談した後、午餐会のため、広大な庭に臨む官邸で最も大きな広間の「祝祭の間」に場所を移した。メニューは次の通りだった。〈料理〉 海ザリガニの生姜風味 子羊の股肉の衣揚げ サラダ チーズ ババリア風チョコレートのデザート

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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