六月二十五日はマケドニア人にとって屈辱的な日だった。マケドニア軍がアラチノボ村をアルバニア系ゲリラNLAから武力で奪還する寸前になって、EUとアメリカが介入し、ゲリラ達は武器を携帯したまま、NATO軍の護衛付きで、村から無事撤退したのである。 一体このNATO軍の奇妙な行動の背景には何があったのか。六月二十八日付の独『ハンブルガー・アーベントブラット』紙は、「アメリカ人アドバイザーがアルバニア系ゲリラを支援」とのタイトルで、NLAの指導者として十七名のアメリカ人元軍人がいたと報じている。 マケドニアの米大使館は慌ててこの報道を否定しているが、奇妙なことに、この前日にブッシュ大統領は、アメリカ国民に対して、アルバニア系ゲリラへ財政的・物質的支援をすることを禁ずる大統領令を発布している。ゲリラへ「財政的・物質的支援」をするアメリカ人が存在しなければ、このような大統領令が出されるはずはない。
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