数学と法律のあいだ

執筆者:久保利英明 2001年7月号
カテゴリ: 文化・歴史 書評

「3以上の自然数nに対してx^n + y^n = z^nを満たすような自然数x、y、zはない」 nが2であった場合にピュタゴラスの定理として有名なこの方程式は、「nが2より大きい場合には整数解を持たない」と、十七世紀のフランスの数学者にして高等法院の参事官であったフェルマーによって主張された。フェルマーはディオファントスの「算術」の余白に“私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない”という記述を残して、三世紀にわたり数学者を挑発したが、最後まで証明されることがなく、「定理」に至らない「フェルマーの予想」に止まっていた。

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