金融庁七月人事で露見した財務省とのなし崩し融合

2001年7月号
エリア: 日本

 財政、金融の分離を掲げて発足した財務省と金融庁が、早くも分離を有名無実化し始めた。金融庁は七月の幹部人事で乾文男総務企画局長(昭和四十五年大蔵省入省)が退任、後任に財務省の原口恒和理財局長(四十五年大蔵省)を起用する人事を決めた。総務企画局長は金融庁の「ナンバー2」ポストとされており、これで森昭治金融庁長官(四十一年大蔵省)の後任に原口氏が就くことがほぼ固まった。 退任した乾氏は金融監督庁時代から金融行政の主流を歩み、日野正晴前長官(三十四年司法修習生)や浜中秀一郎前次長(四十三年大蔵省)からの信任も厚く、次期長官の有力候補のひとりとされていた。ただ、森長官とは折り合いが悪く、銀行保有株式取得機構や銀行の保有株制限をめぐり、反対の立場をとる乾氏と一連の政策を容認する森氏との間に溝が生じていたと噂される。このため、関係者の中には、今回の総務企画局長交代を事実上の更迭人事とみる向きもある。 日野、浜中両氏に続く乾氏の退任で旧金融監督庁ラインは、五味廣文検査局長(四十七年大蔵省)を除きほぼ一掃された格好だ。大蔵省(当時)が主導した金融再生委員会の事務局長だった森氏、財務省出身の原口氏という旧大蔵省ラインが金融庁内に確立。「金融庁は財務省の植民地」との色合いを強め、両省庁はなし崩し的な一体化に向け、動き出した。

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