「ネオ国際派」の登場で日銀の国際部門に異変

2001年7月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

 ロンドン駐在参事まで務めた吉国真一氏(昭和四十八年入行)が七月上旬に日銀を退任し、スイスのバーゼルに本拠をおく国際決済銀行(BIS)の特別顧問に転じた。同氏は国際派日銀マンとして知られ、気さくな人柄から海外の人脈も豊富。新たな自己資本比率規制が予定されるなか、BISへのパイプ作りが重要になったというのが日銀の表向きの説明だが、実情はもっと複雑だ。ずばり言えば、本店に戻る場所がなかったという面が大きい。 ロンドン駐在参事といえば、かつて速水優総裁も務めた国際派のエリートポスト。吉国氏も本来は国際局長―国際担当理事というコースを歩むのが自然で、戻り場所がないというのは異例の事態だが、実際に国際局長には同期の平野英治氏が就いており、入り込む余地がなかった。 背景には、最近の日銀では企画など本店中枢部門を知らない単なる「海外屋」はいらないという風潮が強まっていることがある。こうした路線を主導しているのが山口泰副総裁(三十九年)だ。同氏はほぼ一貫して企画部門を歩みながら語学力もあり、旧来の国際派を「単なる英語屋」と見下しているとの指摘もある。最近では、山口氏と同様企画部門が長い稲葉延雄氏(四十九年)をシニア海外留学させるなど、ネオ国際派の育成が急速に進んでいる。

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