マーク・キューバンは言い訳をつくらせない

執筆者:生島淳 2001年7月号
カテゴリ: スポーツ

 一億円の使い道なら想像がつく。ローンの支払いエトセトラ。しかし一千億円(約十億ドル)となると凡人の手に余る金額となる。 あれこれ悩んだ末、自分の趣味に大枚を投資した四十二歳のビリオネアがダラスにいる。 NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)、ダラス・マーベリックスのオーナー、マーク・キューバンである。 バスケットボールのライブ中継をインターネットで楽しめるソフトを開発し、後にそれを動画の分野にまで広げた“broadcast.com”の創始者のひとり。それを検索システムで有名な「Yahoo!」に売却し、ビリオネアとなった(ちなみに統計上アメリカにビリオネアは二百人しかいないそうだ)。 broadcast.comの同僚は大橋巨泉が提唱する「アーリー・リタイアメント」を決めこんだが、まだ不惑を超えた歳で巨万の富を獲得してしまったキューバン氏、お金の使い道を模索した結果、長年入れ込んで来たバスケットボールのチームを買うことにした。新しい形の「アメリカンドリーム」の実現である。石油富豪からIT富豪へ このマーベリックスの売買劇にはアメリカの「現在」が様々な形で凝縮されている。もっとも象徴的なのは、キューバンはマーベリックスを大統領選挙にも出馬経験のあるテキサスの富豪ロス・ペローの息子、ロス・ペロー・ジュニアから買収したことである。

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執筆者プロフィール
生島淳 1967年生れ。広告代理店勤務を経て93年よりライターとして活躍。著書に『大国アメリカはスポーツで動く』(新潮社)など。
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