大統領が最も恐れる男ジョン・マケイン

執筆者:ルイーズ・ブランソン 2001年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

昨年の大統領予備選では敗れたものの、マケイン上院議員が影響力を拡大しつつある。早くも次期大統領選出馬を噂される共和党「中道派の旗手」の政権戦略とは――。[ワシントン発]昨年の米大統領予備選が最高潮に達した頃、各種メディアのトップを飾り続けた共和党候補は、ジョージ・W・ブッシュではなく、ベトナム戦争のヒーロー、ジョン・マケイン上院議員(六四)だった。 知性とカリスマ性を併せ持つマケインは、「本音対話特急」と名づけたバスで全国を遊説。巨額の資金が飛び交う米政界の腐敗を撲滅し、アメリカ的価値観と品格をホワイトハウスに持ち込むと訴えて、全米各地の聴衆を熱狂させたのだった。 結局、マケインは指名争いでブッシュに敗れた。だが、ブッシュが勝利を得たのも、ジョージ・ブッシュ元大統領の息子という毛並みの良さに加えて、ブッシュ支援に大金を投じて利益誘導を狙った産業界と保守派が手を結んだ「共和党ネットワーク」の恩恵ゆえだと批判された。 一方のマケインはといえば、一敗地にまみれたものの、夕陽に消えゆく馬上のガンマンとはならなかった。 ブッシュが大統領の座について七カ月。いまやこの政権にとって最も脅威となる政治家は、敵方民主党の議員ではなく、身内のマケインであることが明らかになってきた。多くの共和党議員も、マケインの存在には頭を悩ませているようで、『ワシントン・ポスト』によれば、総勢四十九人の共和党上院議員が週に一度集まる昼食会で、マケインは同僚議員に無視をきめこまれ、独りぽつんと食事をしていたという。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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