ウラジーミル・プーチンの「死ぬのは奴らだ」

名越健郎
執筆者:名越健郎 2001年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に関する初のアネクドート集が6月、大統領の地元サンクトペテルブルクで出版された。70%の高支持率をもつプーチンも、歴代指導者同様、ロシア人の誇るアネクドートの標的から逃れられないことを示している。 プーチン大統領が新しい経済計画を発表し、「人々を豊かに、かつ幸福にするのが目的だ」と強調した(計画には、対象者のリストが添付されていた)。 昨年夏、ロシアの原子力潜水艦クルスクが沈没した時、ロシア政府が釈明した。「外国の潜水艦が衝突した」 そのあと、モスクワのテレビ塔で火災が発生した時、ロシア政府が釈明した。「外国のテレビ塔が衝突した」 国政に疲れたプーチン大統領が天国のスターリンに電話し、「どうしたら、国をうまく治めることができますか」と尋ねた。 スターリンが言った。「第1に、閣僚を全員銃殺すること。第2に、クレムリンの壁を緑に塗り替えることだ」「どうして壁を緑にする必要があるのですか」「プーチン君、やはりわしの思った通りだ。第1の点に関して、我々の間に意見の相違はなかった」 グロモフ大統領報道官は「大統領はこの本をまだ読んでいないが、自分を皮肉った別のアネクドートを仕入れて大笑いしている」とコメントしていた。「笑わない男」プーチン大統領はこのところ、親しみやすさを売り込もうと懸命で、先日の会見でも「妻と2人の娘はプードルを飼っている。わたしが最近飼ったのはラブラドール犬だ。ロシアでは、ラブラドールは人命救助に動員される」と珍しく私生活を披露した。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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