ベルナール・アルノー ブランドを「ビジネス」にした男

2001年9月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 美しいカナダ人ピアニストを妻に持ち、自身も小澤征爾の指揮でピアノのチャリティ・コンサートを開いた音楽愛好家。美術やワインにも造詣が深く、スポーツはテニスをたしなむ。見かけは華奢であくまでもエレガント。人前に出るのはあまり好まない……。ビジネスの場面におけるLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンのベルナール・アルノー会長(五二)は、こうした個人的プロフィールからは思いもつかないほど攻撃的である。その行動を特徴づけるのは、「スピード」と「飽くなき勝利の追求」だ。 一九七一年に理系の最高峰、国立理工科大学を卒業。しかし、学友たちのように官僚になることは全く考えず、卒業後はフランス北部にある実家の建設・不動産会社を継ぐ。 父親が早くから経営を任せたこともあって、アルノーは二十代のうちから経営者としての訓練を重ねた。八一年に社会党のミッテランが大統領になると、「自由主義経済に逆行するフランスに未来はない」と渡米。手がけた不動産事業はさほど大きな成果を上げなかったが、米国に三年間住んだことで、資本の論理を重視したアングロサクソン流の経営手法と、世界を意識したビジネスに目覚めていく。 ブランドがビジネスになると気づいたのもこの時だ。自著『創造への情熱』の中で、彼はこう述べている。

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