マケドニアで暗躍する「アルバニア・マフィア」

執筆者:菅原出 2001年9月号
エリア: ヨーロッパ

コソボからマケドニアに「武力革命」が流れこんだ。「少数民族の地位向上」は、謳い文句に過ぎない……。現地からの最新報告。[スコピエ発]「アルバニア人たちが我々に攻撃を加えるなんて、全く寝耳に水の出来事だった」。今年二月に始まったアルバニア系武装組織「民族解放軍(NLA)」の武装蜂起に関して、マケドニア社会政治法律学研究所のパンデ・ラザレフスキー所長はこう述べた。確かにそれは、旧ユーゴスラビア連邦から平和的に独立した唯一の国マケドニアを襲った突然の出来事だった。 今となってはそのイメージは完全に崩れてしまったが、つい半年前までマケドニアは「多民族共存社会の良き手本」として、欧州連合(EU)はじめ国際社会の賞賛の的だった。隣国のギリシャやブルガリアと違い、マケドニアは自国内に少数民族が存在することを公に認め、その権利拡大にも努めてきたからである。

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