石油公団廃止後の再編戦略で“和製メジャー”は生まれるか

執筆者:五十嵐卓 2001年9月号
タグ: インド 日本
エリア: アジア

公団を廃止しても、傘下の弱小開発会社を温存しては未来はない。元売りと開発会社の統合が日本の石油産業の生き残りに不可欠だ。 小泉政権誕生以来、廃止論の激流に巻き込まれた石油公団は八月末、二〇〇〇年度決算を発表した。公団批判の急先鋒である堀内光雄・自民党総務会長が、通産相時代に透明性拡大のために要求した傘下の石油開発会社すべてを連結した決算の初公開となったが、これが最初で最後の連結決算になる可能性が少なくない。 世界各地で「日の丸油田」を掘るため巨額の資金を業界に注入し続けてきた石油公団は、一定の開発実績をあげた一方で、日本の石油産業の自立を阻んできた面も大きい。皮肉にも公団廃止は戦後、日本が追い求めてきた“和製メジャー”づくりの第一歩になる可能性がある。

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