急増する企業倒産、手詰まり感漂う金融政策、早くも懐疑の視線が集まる大型減税。終わりの見えない米国IT不況の現実を、鮮やかな切り口で分析する。[ニューヨーク発]今年七月二十日、米半導体製造装置メーカーのノベラス・システムズがこれまでにない仕組みのゼロクーポン転換社債(CB)を八億ドル発行した。発行後一年の間に債務不履行に陥ったら、同社の保有する米国債で投資家に償還する仕組みだ。いわば「米国債転換権付き社債」である。 主幹事証券会社のメリルリンチがこんな仕組みをひねり出したのには二つの理由がある。まずノベラスが格付けを取得していないことだ。CBの信用力を補完するためには市場に「担保」を差し出す必要があった。
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