「企業経営」という隠れたハードル

執筆者:高岡一樹 2001年11月号
エリア: 中国・台湾

外資主導で掴んだ「世界の工場」の強みを、国内勢へと引き継げるか。開かれた市場に臨む中国企業には、経営ノウハウの確立という大きなテーマがある。「二〇〇八年の北京五輪開催は、中国経済の域内格差を広げるか、それとも縮める要因となるか、意見を述べよ」 九月半ば。北京市の北西に位置する理工系の名門、清華大学。緑に包まれた広大なキャンパスに建つ経済管理学院で、面接試験が行なわれていた。質問も回答も英語。五人一組に分けられた受験生は、熱っぽくそれぞれの持論を展開、ディベートを繰り広げた。 この日は社会人を対象に同経済管理学院が開設しているMBA(経営学修士号)取得コースの新入生を選考する試験。面接のほか英語や論理学などの筆記試験があり、合格すると週末を利用して二年間、経営や企業会計、財務などを学ぶ。受験者は大学を卒業後、五年以上、中国の国有企業や外資系企業などで働いた経験を持つ主に三十代のエリートビジネスマンたちだ。 職場に内証で受験したという北京在住の男性(三三)は「中国のWTO(世界貿易機関)加盟で、海外からの投資は拡大する。外資系企業での雇用機会が増えるのは確実で、MBAを取得すれば転職に有利」と語る。二年間の授業料は八万八千元(百三十二万円)で、平均的な都市労働者の年収の三倍以上。それでも六十人程度の募集枠に三百人以上の受験生が参加したという。

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