米特殊部隊に死傷者の報 それでも米国が隠す理由

2001年11月号
カテゴリ: 国際

 米国防総省の発表を聞く限り、アフガニスタンでの戦闘における米軍の死者はゼロ。しかし、アフガンのタリバン系通信社やパキスタンの軍情報部からの情報によると、これまでの特殊部隊の作戦で、米軍側に三十人以上の死傷者と数名の捕虜が出ているという。 十月二十日に米軍特殊部隊がアフガン南部のタリバンの本拠地、カンダハル周辺を急襲した際、タリバン側は米軍ヘリ一機を撃墜し、約二十人が死傷したと発表したが、当初、米当局は「誤報、全員無事」を主張した。しかし、十一月六日になって「実は二十五人が重軽傷を負っていた」と事実上の訂正発表をした。 タリバン側は常に誇大な数字を発表するが、一方、米政府の発表は戦果に限定され、被害や犠牲は極力秘密で押し通そうという姿勢が顕著だ。これは戦局が長期化することが必至の上、被害状況が拡大すれば米国内世論が反戦に転換するというベトナム戦争の後遺症が重くのしかかっているためだ。 在日米軍関係者によると、陸軍のレンジャーやグリーンベレーなどの特殊作戦部隊は、たとえ作戦遂行中に死傷者が出ても、公式発表はおろか、家族に対しても戦争の終結まで通告しないことが慣例だという。

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