「サラ金と銀行」急接近には理由がある

2001年11月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

“水と油”だった銀行と消費者金融が、個人向けローン会社を共同で設立し始めている。しかし、そこから透けて見えてくるのは「サラ金にしか頼れない」悲惨な銀行の姿だ。 同じ金融の世界に属しながら企業文化が異なり、これまで最も遠い関係だった銀行と消費者金融が急接近している。新型のローン会社の共同設立や融資保証での連携が着々と進んでいる。しかし、両者の関係は「対等」ではない。ローン商品の名称など表向きの看板は銀行のものだが、肝心な顧客の審査や取り立て業務を取り仕切るのは消費者金融なのだ。巨大なリテール(小口金融取引)市場を巡って、銀行が「サラ金」に依存する構図が浮かび上がりつつある。寄り合い所帯の実態は…… 二〇〇〇年五―六月、従来にない新型のカードローン会社が二社、相次いで誕生した。一つは「モビット」(東京都港区)。二十―六十五歳の安定収入がある個人を対象に、最大三百万円までを融資する。金利は年率一五―一八%。顧客はインターネットやファクス、郵便、携帯電話などで融資を申し込み、全国一万九千台のATM(現金自動預け払い機)などで現金を引き出す。返済はATMや銀行振込などによる。 もう一つが「アットローン」(東京都新宿区)。金利など基本的なサービスの骨格はモビットと共通だが、こちらはコンビニエンスストアの「am/pm」店舗内に設置された自動契約機「@ローンボックス」でもローンの申し込みができる。人気タレントを起用したテレビCMや新聞広告で派手な宣伝攻勢をかけている両社の狙いは、比較的若い世代の小口の資金需要を取り込むことにある。

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