クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?
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「ざまーみろっ」と思ってる国

徳岡孝夫
執筆者:徳岡孝夫 2001年11月号
カテゴリ: 文化・歴史

 三十人以上の日本人が巻き添えになった「9.11テロ」の翌日、左翼政党の浅はかな女が「『ざまーみろっ』て思っている国だってきっとある、と思いませんか」と書いて非難集中、たちまち謝ったという。 だが彼女の言わんとしたこと自体は、あながち見当外れとはいえない。アメリカはテロで大打撃を受けた。アメリカ人は嘆き悲しんだ。しかし人間、隣家の不幸ほど嬉しいものはない。シナ人はさぞ喜んだことだろう。 果たして事件直後の新聞に、チラとだが、米国務省の招待で訪米中のシナ人グループが、当日ホテルのテレビで惨事を見て、拍手喝采したと出ていた。北京は狂喜乱舞だったという。 日本の新聞によらず北京発の外国通信社の報告によると、中国の新聞は社説といわず投書欄といわず「地すべり的祝賀ムード」だったそうである。江沢民主席はさっそくアメリカにお悔みの電報を打ったが、それは「天がアメリカを罰した!」と喜ぶ人民の声を反映していなかった。 逆に、先に米軍機がユーゴの中国大使館を誤爆して死者が出たとき、シナ人の怒りようは凄まじかった。今回のテロは、その鬱憤を晴らした。常に中国政府の心を心とする日本の左翼が言った通り「ざまーみろっ」である。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫
徳岡孝夫 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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