インテリジェンス・ナウ
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中止させられていたビン・ラディン一族捜査

春名幹男
執筆者:春名幹男 2001年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東 北米

 米中枢同時多発テロの数日後、首謀者とされるオサマ・ビン・ラディンの在米の親戚一行十一人を乗せたチャーター機がボストンを発ってサウジアラビアに向かった。バンダル駐米サウジ大使によると、米国には計二十四人のビン・ラディン一族が住んでいた。結局、全員が米国を離れ、帰国した。 テロとは無関係の他の一族は、いらぬとばっちりで難を受けるのを避けるため、急遽離米したと思われた。オサマはビン・ラディン一族の“ブラックシープ”(はみ出し者)と言われてきた。ブッシュ政権も半公式的にそうした見方をとっていた。 だがここにきて、実はブッシュ政権は、ブッシュ・ファミリーとビン・ラディン一族の関係をめぐり、知られたくない事実を隠そうとしているのではないか、との疑惑が指摘され始めた。 親戚にもテロ組織との関係を疑われた者があり、連邦捜査局(FBI)が捜査しようとしたら、政府上層部から捜査を中止させられた、と十一月六日、英BBC放送が報じたのである。 BBCがすっぱ抜いたのは、「199-Eye WF 213 589」のケースナンバーが付けられたFBI秘密文書。199は国家安全保障関係、WFはFBIワシントン支局の略である。イスラム教原理主義テロ組織との関係を疑われている「ムスリム青年世界会議」(WAMY)とその会長アブドラ・ビン・ラディン氏のことを調査した文書だ。オサマとの正確な関係は不明だが、彼も親戚の一員だ。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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