家電メーカーが試される「守りの経営」

2001年12月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

小泉政治の行く末は景気回復と道連れだ。その牽引役と期待されるIT産業に試練の時が訪れた。商品戦略の変更は不可避。夢を見るのは横並びでも、退却の道すじには厳しい脱落者選びが待っている。「冬の時代が来ました」。出井伸之会長のこんな言葉を残して、ソニーは冬支度に入った。ポータブル音楽プレーヤーの代名詞となった「ウォークマン」、家庭用ゲーム機市場に殴り込みをかけた「プレイステーション」など時代の節目を演出するヒット商品を放つ一方で、音楽、映画会社を相次ぎ買収し拡大路線をひた走ってきたソニーである。二〇〇一年も株価低迷に悩み続けた市場関係者からは、優良銘柄代表格の“不規則発言”に落胆の声が漏れ、期待の反動が株価の下落を加速する構図となっている。 九〇年代後半の世界を熱狂させたニューエコノミー最後の狂い咲き、IT(情報技術)バブル。「失われた十年」の日本にあっても、右肩上がりの成長を期待する業界はあった。IT市場に活路を見いだしてきた企業群、ソニーを含めた家電メーカー各社もそこに含まれよう。 だがITバブルが崩壊した今、家電メーカーたちは商品戦略の再検討を求められている。業界幹部は異口同音に「デジタル機器でヒット商品が出ないし、稼げない」とこぼす。確かにDVD(デジタルビデオディスク)再生機やデジタルスチルカメラの出荷台数は伸びているし、DVD録画機、プラズマディスプレー・パネル(PDP)テレビなどの新製品も各社が競うように出している。ただ、いずれもヒット商品と呼ぶにはほど遠い。

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