「私は記者として危険を冒して現場に入り、たくさんの男や女の血を吸って草が伸び、長く複雑な歴史の中で何度も戦争を経験したベトナムの厳しいジャングルの中にすら入り、そして、真実を持ち帰ることができたのだ」(ハリソン・ソールズベリー『変革の時代―ソールズベリー回想録』より) * アメリカ政府が公開した日米経済交渉に関する外交公電の中に、一昔前の面白い情景が残されている。 一九九二年、日米両政府は「バンプド・ライス」と呼ばれるコメ加工品の輸入解禁で合意する。バンプド・ライスは、朝食で食べるシリアルの原料としてしか使えないのだが、農水省は、この合意が表沙汰になると当時反対運動が燃えさかっていたコメ開放と誤解されて面倒なことになると考えたらしい。
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