情報公開で機密はどこまで分かる?

執筆者:軽部謙介 2001年12月号
カテゴリ: 文化・歴史

「私は記者として危険を冒して現場に入り、たくさんの男や女の血を吸って草が伸び、長く複雑な歴史の中で何度も戦争を経験したベトナムの厳しいジャングルの中にすら入り、そして、真実を持ち帰ることができたのだ」(ハリソン・ソールズベリー『変革の時代―ソールズベリー回想録』より)     * アメリカ政府が公開した日米経済交渉に関する外交公電の中に、一昔前の面白い情景が残されている。 一九九二年、日米両政府は「バンプド・ライス」と呼ばれるコメ加工品の輸入解禁で合意する。バンプド・ライスは、朝食で食べるシリアルの原料としてしか使えないのだが、農水省は、この合意が表沙汰になると当時反対運動が燃えさかっていたコメ開放と誤解されて面倒なことになると考えたらしい。「彼ら(農水省)は政治問題化するのを防ぐため、この約束(輸入解禁)を厳格に機密扱いしてくれるように要請した」(九二年二月十二日付け東京米大使館発国務省宛公電)「食糧庁は、コメ問題との関連性のために、この合意に正式に言及すれば(合意の)実施ができなくなると極めて強い懸念を表明するとともに、この合意について厳格に秘密を保つように要請した」(九二年七月十三日付け東京米大使館発国務省宛公電)

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