アルゼンチン経済「破綻の実態」

執筆者:三井遼 2002年1月号
エリア: 中南米

巨額の対外債務デフォルトにも金融市場は冷静だが、新政権の当事者能力には疑念が深まる。もはや米国、IMFの積極的な関与は期待できぬ中、アルゼンチンは保護主義に突き進むのか。[ワシントン発]昨年末に起きた二つの破綻劇。主役は大手エネルギー会社エンロンと、中南米第二の経済規模を持つ国家、アルゼンチンである。“超優良”だったはずのエンロンがわずか一年で破綻企業へと急降下したことに、多くの市場関係者やアナリストは目を剥いた。対称的に、昨年十二月二十三日にロドリゲス・サー暫定大統領が発表したアルゼンチンの対外債務デフォルト(支払い停止)を市場は冷静に受け止めている。なぜなら、アルゼンチンの破綻はスローモーションのようにゆっくりしたものだったからだ。「今ごろあわてている投資家は素人だけだ」と、米金融関係者たちは言う。米大手金融機関やヘッジファンドはすでにアルゼンチンのデフォルトを想定して準備を進めていた。ゆえに、今からパニック売りは起きない。パニックが起きないので、九七年のアジア通貨危機、九八―九九年のロシア、ブラジルの経済危機の時のように、他の新興市場国に動揺は広がらない――。アルゼンチンの危機は国内危機という認識が、国際金融関係者の間では定着している。

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